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新型コロナウイルスによる影響、長期休業後のシステム再稼働への備え

漸く首都圏他、大都市圏を対象とした緊急事態宣言が発効し、対象地域の映画館はほぼ全館長期休業を余儀なくされることになりそうです。

シネマ業界に与える影響は各国と同様に甚大なものになることが懸念されますが、業界団体が先導する欧米諸国とは異なり、国内のシネマ業界に対する具体的な救済措置が見えないままでの全面休業になりそうなのは心苦しい限りです。

経営面での懸念もさることながら、前回触れた上映システムの再稼働に対する備えも真面目に取り組んでおく必要がありそうです。

通常の使用下では問題なく連携して動作していても、長期間電源から切断された状態から再起動する際には、設置時と同じような注意や作業を要することもあります。

デジタル家電の電源を入れるのとは訳が違うのです。

感染騒動が治り映画館を再オープンできることになっても、最悪の場合、上映システムが正常に動作しないという事態が懸念されます。

起きてしまうとかなり厄介なのはセキュリティーモジュールの電池切れで、この内蔵時計が初期化されてしまうと、顧客自身の手で正常動作に復帰させることはできなくなってしまいます。

新型コロナウイルスによる影響、続報」から抜粋

これまでに各地の業界コミュニティ、メーカー各社から公開されている注意事項へのリンクが ISDCF の関連ページにまとめられていますので、以下に転記しておきます。(残念ながらすべて英語での資料となります。)

業界コミュニティーがまとめたリンク集
メーカー各社から提供された資料

以上は各社から自発的に提供された情報ですが、これらに含まれていないメーカーに関しては個別に事前に問い合わせおく必要がありそうです。

特に中小の劇場様方が一日も早く無事再稼働されることを願ってやみません。

作成者: Yoshihisa Gonno

デジタルシネマ黎明期の2005年から国内メーカーで初のデジタルシネマ上映システムの開発をリード。その当初からハリウッド周辺の技術関係者との交流を深め、今日のシネマ技術の枠組みづくりに唯一の日本人技術者として参画。
2007年から5年間、後発メーカーのハンディキャップを覆すべく米国に赴任。シネマ運用に関わるあらゆる技術課題について、関係各社と議論、調整を重ねながら、自社システムの完成度を高め、業界内での確固たる地位を確立。
2015年からは技術コンサルタントとして独立。ハリウッドシネマ業界との交流を続けながら国内のシネマ技術の向上に向けた活動を続けている。
2018年から日本人唯一の ICTA(国際シネマ技術協会)会員。
プライベートでも「シネマ」をこよなく愛し、これまでのシネマ観賞(劇場での映画観賞)回数は1500回を優に超える。

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