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HDR 直視型シネマディスプレイ DCI 認証取得

昨年公開された DCI の新認証規格 CTP 1.4.1 に基づく HDR Direct View Cinema Display(直視型シネマディスプレイ)が初めて認証されました。

昨年公開された DCI の新認証規格 CTP 1.4.1 に基づく HDR Direct View Cinema Display(直視型シネマディスプレイ)が初めて認証されました。

今回認証を受けた直視型シネマディスプレイは CINITY ブランドで知られる China Film Technology 社の製品 CFL-10 です。

組み合わせて使用されたシネマサーバーは2019年に旧規格 CTP 1.2 で認証を受けている GDC 社の SR-6400C ですが、今回新規格 CTP 1.4.1 での追試験を受けた上で、上映システムとしての認証試験に臨んだようです。

実際の劇場への導入、対応作品の普及など課題は残されているものの、まずは新規格に準拠する製品群のスタートを切ったといえるでしょう。

関連情報(すべて英語サイト):
DCI 認証規格 – Compliance Test Plan (CTP)
https://www.dcimovies.com/compliance-test-plan
DCI 認証規格 – CTP 1.4.1
https://documents.dcimovies.com/CTP/release/1.4.1/
HDR 直視型シネマディスプレイ認証取得機器
https://www.dcimovies.com/compliant-equipment?class=hdr-direct-view

これまでの同社製品の普及状況から推測すると、当面は中国国内から普及を始めると思われますが、対応する劇場数や作品数で世界的に先行する Dolby Cinema とどのように棲み分けできるのか、さらには直視型ディスプレイの劇場上映の音響の課題に対してどのような対策が講じられるのか、注目しておきたいところです。

作成者: Yoshihisa Gonno

デジタルシネマ黎明期の2005年から国内メーカーで初のデジタルシネマ上映システムの開発をリード。その当初からハリウッド周辺の技術関係者との交流を深め、今日のシネマ技術の枠組みづくりに唯一の日本人技術者として参画。
2007年から5年間、後発メーカーのハンディキャップを覆すべく米国に赴任。シネマ運用に関わるあらゆる技術課題について、関係各社と議論、調整を重ねながら、自社システムの完成度を高め、業界内での確固たる地位を確立。
2015年からは技術コンサルタントとして独立。ハリウッドシネマ業界との交流を続けながら国内のシネマ技術の向上に向けた活動を続けている。
2018年から日本人唯一の ICTA(国際シネマ技術協会)会員。
プライベートでも「シネマ」をこよなく愛し、これまでのシネマ観賞(劇場での映画観賞)回数は1500回を優に超える。

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