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デジタルシネマ 名前付け規則 / 付録7: 画面アスペクト比 (日本語訳)

画面アスペクト比 (“F“, “S“, “C“) はプロジェクターで設定するピクセル配列サイズを表します。これは必ずしも画像のアスペクト比(もしくは劇場に対するマスキングの指示)を意味するものではありません。これは予告編のような作品は、しばしば画面の内枠に収められることがあるためです。選択肢として以下の3種類があります。

略号画枠名アスペクト比ピクセル配列サイズ
(横/縦 : 1)
×解像度
訳者注:画枠と画像の合わせ込み

画像のアスペクト比に応じた DCP への埋め込みに際して、画枠に応じた埋め込みをシミュレーションするためのツールを作成しています。以下のリンクよりお試しください。

画枠と画像の合わせ込み(デジタルシネマ 名前付け規則 日本語版番外編)

デジタルシネマプロジェクターはビスタ、シネスコ、フルサイズいずれかの画像を投射するように設計されています。時として上映作品は、1.85 (ビスタ) や 2.39 (シネスコ) 以外のアスペクト比で作られることがあります。

例えば、アスペクト比 1.33 の古い作品は、アスペクト比 1.85 のビスタの画枠の左右両端に黒の画を入れて作成することがあります。(この時、1.33の画像の上下端は1.85の画像の上下端と一致します。)

同じように、アスペクト比 2.66:1 の古い作品は、ビスタかシネスコの画枠の上下端に水平の黒棒を足し合わせて、アスペクト比が 1.85 か 2.39 になるように作成することがあります。(この時、2.66 の画の左右両端は 2.39 か 1.85 の画の左右両端に一致させます。)

左右または上下両端に黒の画が意図的に入れられていることを劇場に対して注意喚起するために、 画面アスペクト比の項目を実際の画像の比率が分かるように表示することができます。

例:

F-133” はアスペクト比 1.33 の画像がビスタの画枠に埋め込まれていることを示します。 “S-266” はアスペクト比 2.66 の画像がシネスコの画枠に埋め込まれていることを示します。これにより、劇場によってはスクリーンのマスクを実際の画像に合わせることも可能となります。

注:  この方法を予告編の作成に使用してはなりません!

予告編は殆どの場合、本編のアスペクト比に関わらず、ビスタ版とシネスコ版が作られます。規格外のアスペクト比の予告編がビスタまたはシネスコの画枠にはめ込まれることもしばしばです。このような変則アスペクト比の予告編には F-239 や S-185 のような表記をすべきではありません。何故なら、劇場での上映に際して、一連のプレイリストの中でひとつの予告編毎にスクリーンマスクを変更するのは推奨されることではなく、本編のスクリーンマスクに不具合をもたらす危険性があります。(予告編一本毎にスクリーンマスクを変更するのは現実的ではありません。)

CPLの内部

画面アスペクト比は //Reel/MainPicture/ScreenAspectRatio または //Reel/MainStereoscopicPicture/ScreenAspectRatio に表記されます。

<Reel>
  ...
  <MainPicture>
    <ScreenAspectRatio>133 1</ScreenAspectRatio>
  </MainPicture>
  ...
</Reel>

プロジェクターのピクセル配列サイズは //CompositionMetadataAsset/MainPictureStoredArea に表記されます。

<CompositionMetadataAsset xmlns="http://www.smpte-ra.org/schemas/429-16/2014/CPL-Metadata">
  …
  <MainPictureStoredArea> <!-- 4K 上映における "F-133" の全画像投射領域 -->
    <Width>3996</Width>
    <Height>2160</Height>
  </MainPictureStoredArea>
  …
</CompositionMetadataAsset>

DCP のピクセル配列サイズ (ピクセル配列サイズと画像アスペクト比の関数)は //CompositionMetadataAsset/MainPictureActiveArea に表記されます。

<CompositionMetadataAsset xmlns="http://www.smpte-ra.org/schemas/429-16/2014/CPL-Metadata">
  …
  <MainPictureActiveArea> <!-- 4K 上映における "F-133" の有効画像領域 -->
    <Width>2872</Width>
    <Height>2160</Height>
  </MainPictureActiveArea>
  …
</CompositionMetadataAsset>
追記:
  1. 2D版では MainPicture 要素、3D版では MainStereoscopicPicture 要素 (そしてこれらは Reel 中の異なる場所に置かれます。)
  2. CPL には 2K か 4K かを明示的に表す項目はありません。それは MainPictureStoredArea の数値から類推することができます。

日本語訳に関するお問い合わせ: contact@cinematechnology.jp