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デジタルシネマシステム仕様 DCSS 1.4.4 公開

DCI から最新版のデジタルシネマシステム仕様 (DCSS 1.4.4) が公開されました。DCSS 1.4.3 からの微修正となります。

DCI から最新版のデジタルシネマシステム仕様 (DCSS 1.4.4) が公開されました。昨夏公開された DCSS 1.4.3 からの微修正となります。[オリジナルへのリンク]

主な変更点
  • CPLの電子署名に使用されているデジタル証明書が上映時に期限切れになっていても、署名を行った時点で有効であったなら上映を許可する。

論理的に考えて、過去のある時点で有効な電子署名が付与されたDCPが、数年後に同一性を検証できなくなる筈もないので、合理的な仕様の明確化といえるでしょう。これで何十年後でも同じDCPを安心して使用できる仕組みが提供できることになります。

  • シネマサーバーの容量に対する必須要求を推奨に緩和する。

元々必須とされていた容量自体が、『本編映画三作品分と付随する予告編が入るサイズ』としてざっくりと余裕を持って見積もられていたため、必須要求とするには厳密性に欠けており、実用上不足がなければ問題なかろうという判断になったのでしょうか。

いずれも合理的な仕様の明確化と考えられますが、現在劇場にある上映機器がこの考え方に合致した設計になってとは限りませんので個別に注意が必要です。

作成者: Yoshihisa Gonno

デジタルシネマ黎明期の2005年から国内メーカーで初のデジタルシネマ上映システムの開発をリード。その当初からハリウッド周辺の技術関係者との交流を深め、今日のシネマ技術の枠組みづくりに唯一の日本人技術者として参画。
2007年から5年間、後発メーカーのハンディキャップを覆すべく米国に赴任。シネマ運用に関わるあらゆる技術課題について、関係各社と議論、調整を重ねながら、自社システムの完成度を高め、業界内での確固たる地位を確立。
2015年からは技術コンサルタントとして独立。ハリウッドシネマ業界との交流を続けながら国内のシネマ技術の向上に向けた活動を続けている。
2018年から日本人唯一の ICTA(国際シネマ技術協会)会員。
プライベートでも「シネマ」をこよなく愛し、これまでのシネマ観賞(劇場での映画観賞)回数は1500回を優に超える。

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