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映画館営業再開への準備

米国では感染再拡大が懸念されながらも、映画館など各種娯楽施設の営業再開に向けた動きが活発化しています。そんな中で劇場オーナーにも具体的な対策の準備を進めているところもありますのでご紹介します。

参考情報

EVO Entertainment Group

米国テキサス州オースティンを拠点に5年前に設立したばかりの若い会社ですが、郊外7ヶ所の施設で合計57スクリーンの映画館を運営するだけでなく、ボーリング場、レストラン、ライブ音楽など、多角的な家族向けの娯楽を提供しているのが特徴です。

テキサス州では4月30日より外出規制が緩和されるのに伴い、EVOの各施設も5月4日より段階的に営業を再開する準備を進めています。

営業再開に際しては、訪れる人々に対していかに安心感を与えられるかという点を重要視し、ホームページには極めて具体的でわかりやすい実行計画を準備していることが説明されています。

この施策は他の劇場チェーンでも参考にしてもらえるように公開されています。

従業員に対するルールの徹底

先ず営業再開の大前提として従業員に対して以下のことを徹底させます。

  • 一時間毎の手洗いを徹底
  • 頻繁に触れるところを30分毎に消毒
  • 疾病管理局等が推奨する十分な距離をあけて作業をする習慣
  • 何らかの症状が出た場合は出勤しないこと(就業補償付き)
  • 疾病管理局等が推奨する防護具の使用、着用の徹底

段階的な制限の緩和

実際の制限緩和に際しては三つの段階に分けた施策が考えられています。

第一段階
  • 従業員だけでなく来場客の体温も測定し、38℃以上の来場者の入館を拒否
  • 従業員と来場客とも過去二週間に疑わしい症状が無かったことを口頭で確認
  • マスクの着用(持たない来場客には無料配布)、従業員はゴム手袋の着用
  • チケット販売はオンライン(サービス料免除)推奨、劇場では無人キオスクのみ、現金不可
  • 座席制限:
    • 定員の25%に制限
    • 1列おきに座席を指定
    • グループ間は2席以上空ける
    • 1グループは5人まで
  • 売店、飲食にも各種制限、現金は全面不可
第二段階
  • 従業員の体温測定
  • 従業員の過去二週間の無症状の確認
  • 従業員のマスク着用、希望する来場客には無料配布、従業員のゴム手袋着用
  • チケット販売はオンライン(サービス料免除)推奨、窓口はひとつおき、現金不可、床には間隔を示すサイン
  • 座席制限:
    • 定員の50%に制限
    • 前後が重ならないように指定
    • グループ間は1席以上空ける
    • 1グループは8人まで
  • 売店、飲食にも各種制限、現金は全面不可
第三段階
  • 従業員の過去二週間の無症状の確認
  • 従業員のゴム手袋の着用
  • チケット販売:現金可、床には間隔を示すサイン
  • 座席制限:
    • 定員の75%に制限
    • グループ間は1席空ける
    • 1グループは10人まで
  • 売店、飲食の制限は概ね解除、現金可

技術的に運用できるのか?

更に詳細も規定されていますが、細かいルールを実際に運用できるのかという疑問もあるでしょう。

例えばチケット販売の細かいルールですが、EVOが導入しているチケットシステム(Vista)には上記のルールをシステムに実装済みで、それぞれのモードを切り替えるだけで対応できるようです。

観客のいないなかったこの期間に十分なテストが可能だったのかも知れません。

営業再開の際に感染再燃の温床にならないようにしっかりと準備をしておきたいものです。

作成者: Yoshihisa Gonno

デジタルシネマ黎明期の2005年から国内メーカーで初のデジタルシネマ上映システムの開発をリード。その当初からハリウッド周辺の技術関係者との交流を深め、今日のシネマ技術の枠組みづくりに唯一の日本人技術者として参画。
2007年から5年間、後発メーカーのハンディキャップを覆すべく米国に赴任。シネマ運用に関わるあらゆる技術課題について、関係各社と議論、調整を重ねながら、自社システムの完成度を高め、業界内での確固たる地位を確立。
2015年からは技術コンサルタントとして独立。ハリウッドシネマ業界との交流を続けながら国内のシネマ技術の向上に向けた活動を続けている。
プライベートでも「シネマ」をこよなく愛し、これまでのシネマ鑑賞(劇場での映画鑑賞)回数は1500回を優に超える。

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