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ソニーデジタルシネマディスプレイ DCI 認証取得

DCI 規定の直視型シネマディスプレイへの対応の見通しが立たない中、Samsung Onyx に続いて、Sony Digital Cinema Display がついに DCI 認証 (CTP1.2) を取得しました。

ソニーの LED シネマディスプレイに関するこれまでの展示では、DCP を使用した一般的な上映は行われず、展示用に作られた素材を使用したデモが行われてきましたが、今回初めて DCP を使用した通常の商業上映を行うことができる機材として認証されたことになります。

DCI の認証報告 (DCI認証機材: SONY: CLDC-11) によると、認証に使われた機材はこれまで汎用的な LED ディスプレイとして商品化されていた映像表示部 (ZRD-2) と表示制御部 (ZRCT-100) に加えて、一般的な DCP を上映するために必要なデータ処理装置 (Media Block / Screen Management Systemなど) が新たに組み合わされて、デジタルシネマの上映システムとして構成された模様です。

これにより理屈の上では Samsung Onyx と同様、実際の映画館に設置して商業上映に使用することができる上映機材として選択肢が増えたことになり、業界全体としては新たな希望として期待されるところです。

LED シネマディスプレイの DCI 認証と関連機材の今後の見通しについては、様々な角度から比較、分析すべきなので、これについては会員限定記事にて論じます。

作成者: Yoshihisa Gonno

デジタルシネマ黎明期の2005年から国内メーカーで初のデジタルシネマ上映システムの開発をリード。その当初からハリウッド周辺の技術関係者との交流を深め、今日のシネマ技術の枠組みづくりに唯一の日本人技術者として参画。
2007年から5年間、後発メーカーのハンディキャップを覆すべく米国に赴任。シネマ運用に関わるあらゆる技術課題について、関係各社と議論、調整を重ねながら、自社システムの完成度を高め、業界内での確固たる地位を確立。
2015年からは技術コンサルタントとして独立。ハリウッドシネマ業界との交流を続けながら国内のシネマ技術の向上に向けた活動を続けている。
2018年から日本人唯一の ICTA(国際シネマ技術協会)会員。
プライベートでも「シネマ」をこよなく愛し、これまでのシネマ観賞(劇場での映画観賞)回数は1500回を優に超える。

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