シネマテクノロジー

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デジタルシネマ名前付け規則(日本語訳)

付録 3

 

作品の分類とバージョン番号      作品の分類とバージョン番号の項目は、名前付け規則の中でも、DCPに含まれる作品がどのような分類か-- 本編、予告編、短編など-- を特定する部分です。 そしてバージョン番号も含まれます。この項目 には最大7文字まで含まれます。すべての作品は下記のいずれかに分類されます。:

FTR = 本編


TLR = 予告編

数分程度の本編 作品のプロモーション

EPS = エピソード

連続テレビドラ マ等の一話に対応する本編

TSR = ティーザー

通常予告編より も短い本編作品のプロモーション

PRO = プロモーション

特殊なイベント (フェスティバル、トレードショー等)で使用する本編作品のプロモーション

TST = テスト

(フレームチャート、カラーチャートなど)

RTG = レーティング

("RTG"に続いて"-F"(本編)また は"-T"(予告編)を表記します。)

SHR = 短編

通常本編の前に 上映される短い作品

ADV = 広告

ミュージックビデオを含む本編とは無関係な すべての商業広告 に使用します。

XSN = つなぎの映像

(クリップ間の つなぎに使用する全黒映像や「3Dメガネを付けてください」の表示など)

PSA = 公共サービスの告知

(自治体からの案内など)

POL = 上映ポリシー

(鑑賞マナー、禁止事項など。「スマホを 切って」「前の座席を 蹴らないで」「禁煙です」)

 

SMPTE CPL メタデータとの関係

CPLの内部

作品の分類は //ContentKind に表記されます。:

<CompositionPlaylist>

     xmlns="http://www.smpte-ra.org/schemas/429-7/2006/CPL">

     ...

     <ContentKind>feature</ContentKind>

     ...

</CompositionPlaylist>


追記:

scope 属性がない場合、使用可能なSMPTE 429-7 ContentKindの値は以下の通りです。: "feature", "trailer", "teaser", "promo", "test", "rating", "advertisement", "short", "transitional", "psa", "policy".  詳細は規格書をご覧ください。

 作品の分類 (Content Type) のコードの後ろにバージョン番号を付けるのは重要です。例えば、本編バージョン 2 の場合  "FTR-2" を付けます。これは正しいバージョンを選ぶためだけでなく、"OV"と"VF"を正しく組み合わせるために重要で す。 (付録 8参 照)  作品の分類の項目には2D/3Dの識別しを付けることもできます。(付録 3a参照)

CPLの内部

バージョン番号は //Reel[1]//VersionNumber に表記されます。:

<CompositionMetadataAsset>

     xmlns="http://www.smpte-ra.org/schemas/429-16/2014/CPL-Metadata">

     ...

     <VersionNumber status="final">2</VersionNumber>

     ...

</CompositionMetadataAsset>


追記:

     1) VersionNumber要素のstatus属性は下記のいずれかでなければなりません。: "final", "temp", "pre"

     2) CompositionMetatdataAsset要素のVersionNumber要素は Composition PlaylistのContenVersion要素よりも優先します。後者はEIDRのようなレジストリに基づく識 別子に適しています。

作品の分類とバージョン番号に続いて、ハイフンで区切ら れた作品分類の補助項目を追加することができます。

例:  POL-1-Temp-RedBand-TheatreChain-3D-6fl-48

 

これらは必要なものだけを選んで、この順序で表記しなけ ればなりません。:

Temp

こ れは映像や音声が暫定的で、完成版ではないことを意味します。:  ”preview"版や "rough-cut"版がこれに該当します。これはこのような暫定版が誤って完成版として劇場に配信されてしまうことを避けるためです。映像と音声が完 成すれば、"Temp"という補助項目を削除します。



Pre

映像と音声は完成していても、字幕や音声ガイド などが含まれない"Pre-Release"版の場合は"Pre"という補助項目を付けること でpre-release版であることを表記します。 字幕や音声ガイドも追加した配給版が完成したらこの"Pre"という補助項目を削除します。



RedBand

米 国で配給されるMPAA Red Band(成人向け)予告編には、NATOとMPAAの要請によりDCPのファイル名に明確にこれを表記しなければなりません。  これは劇場において上映制限のある予告編であることがより明確に分かるようにし、誤ってG, PG, PG-13 の作品と一緒に上映されるのを避けることを目的としています。このような予告編のレーティングは地域とレーティングの項目にも"US-RB"として表記さ れます。



CHAIN

多 くのプロモーション映像や上映ポリシー映像は特定の劇場チェーンやイベント向けに作られます。 この補助項目にはそのような特定の劇場チェーンやイベントの 名前を表記します。例:  "MovieTitle_Pro-1-Cannes" は作品”Movie Title”のカンヌ映画祭向けのプロモーション#1ということを表します。




時には、複数の劇場チェーンで同じ特別版の予告 編を使いたい場合があります。この場合、この補助項目に劇場チェーン名の代わりに"ALT"と 表記します。


例えば、"Grand Cinemas"が末尾に独自の大スクリーンブランドのロゴを付ける以外は、汎用の予告編#1を使いたい場合があるとします。 その場合、次のように表記します。:


MovieTitle_TLR-1-GrandCinemas など




しかしながら、もし複数の劇場チェーンがよく知 られた大スクリーンブランドのロゴ以外は同じ予告編を使いたい場合、そのDCPの補助項目 に"ALT"と付けることができます。:


MovieTitle_TLR-1-ALT




これによりこのDCPをTLR 1の汎用的な代替として共用することができます。


この時、"ALT"をどのような用途に使うか は、スタジオの劇場チェーンに対する説明次第です。



3D or 2D

3D版の場合はこれで表記します。もし2D版と 3D版がある場合は、2D版には"2D"、3D版には"3D"と表記します。その作品に2D版 しかない場合は、"2D"を表記する必要はありません。この補助項目の表記がない場合は、2D 版であるとみなします。



4fl

現時点で3D作品に対する標準輝度は存在しませ ん。ある作品は3.5FtLで制作され、別の作品は4, 4.5, 6, 7 さらには 10FtLで制作されます。もし異なる輝度のバージョンを複数作成する場合は、この補助項目に基準とした輝度を表記します。その際、小数点は省略します。



48

フレームレート(24fps以外の場合のみ表記)

DVis

ド ルビービジョンでマスターされた映像

EC

エ クレアカラーでマスターされた映像

 

CPLの内部

劇場チェーン名は //Reel[1]//Chain に表記します。:

<CompositionMetadataAsset>

     xmlns="http://www.smpte-ra.org/schemas/429-16/2014/CPL-Metadata">

     ...

     <Chain>Grand Cinemas</Chain>

     ...

</CompositionMetadataAsset>


ルミナンス(投影輝度)は //Reel[1]/Luminance に表記します。:

<CompositionMetadataAsset>

     xmlns="http://www.smpte-ra.org/schemas/429-16/2014/CPL-Metadata">

     ...

     <Luminance units="foot-lambert">3.5</Luminance>

     ...

</CompositionMetadataAsset>


2D作品はMainPicture要素があることで 識別できます。これは //Reel//MainPicture[1] にあります。:

<Reel>

     ...

     <MainPicture>...</MainPicture>

     ...

</Reel>


3D作品は MainStereoscopicPicture要素があることで識別できます。これは //Reel//MainStereoscopicPicture[1] にあります。:

<Reel xmlns:msp-cpl=”http://www.smpte-ra.org/schemas/429-10/2008/Main-Stereo-Picture-CPL”>

     ...

     <msp-cpl:MainStereoscopicPicture>...</msp-cpl:MainStereoscopicPicture>

     ...

</Reel>


フレームレートは //Reel//MainPicture[1]/FrameRate または //Reel//MainStereoscopicPicture[1]/FrameRate に表記されます。:

<Reel>

     ...

     <MainPicture>

          <FrameRate>48 1</FrameRate>

     </MainPicture>

     ...

</Reel>


追記:

     1) MainPicture要素と MainStereoScopicPicture要素は排他的です。: 同じReelの中に両方を入れることはできません。

     2) MainStereoScopicPicture要素はSMPTE 429-10規格に規定されています。