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クリスティー “一体型” RGB レーザー シネマプロジェクター DCI 認証取得

RGB レーザー方式によるシネマプロジェクターで業界をリードしてきたクリスティーですが、初の一体型となるモデル (CP2315-RGB) で DCI 認証を取得しました。

RGB レーザー方式によるシネマプロジェクターで業界をリードしてきたクリスティーですが、初の一体型となるモデル (CP2315-RGB) で DCI 認証を取得しました。

DCI の発表によると、何を勘違いしたのか “CP2315-RGB Digital Cinema Display with Media Block” と書かれているのですが、この機種は昨今話題の直視型シネマディスプレイではなく、RGB レーザー光源による投影型のシネマプロジェクターです。

投影用の光源として半導体レーザーを使用したシネマプロジェクターが本格的に市場に出回りはじめて三年余りが経ちました。

これまでの製品ではプロジェクター本体の周りに巨大な冷却装置がまとわり付いてくるのが悩みのタネでしたが、この製品ではプロジェクター本体の筐体にスッキリ収めるという画期的な設計を実現したそうです。これで導入を検討する劇場にとっては大きな懸念材料がひとつ払拭されることになるでしょう。

今回 DCI 認証を受けたのは 2K 解像度、13,500 ルーメンという比較的小さいモデルですが、近日中には高輝度 20,000 ルーメンのモデルと 4K 解像度、25,000 ルーメンのモデルの認証も控えているようで、劇場の用途に応じた選択肢もできそうです。

この一連のシリーズでは映像処理の心臓部であるメディアブロックも更新し、これまでの Christie® Solaria™ から Christie® CineLife に改めて、新たなシリーズとして市場に投入するそうです。

競合各社が蛍光方式を併用した廉価版レーザープロジェクターを売り出す中でも RGB レーザー方式にこだわり続けてきたクリスティーとして面目躍如のシリーズとなるでしょうか。

作成者: Yoshihisa Gonno

デジタルシネマ黎明期の2005年から国内メーカーで初のデジタルシネマ上映システムの開発をリード。その当初からハリウッド周辺の技術関係者との交流を深め、今日のシネマ技術の枠組みづくりに唯一の日本人技術者として参画。
2007年から5年間、後発メーカーのハンディキャップを覆すべく米国に赴任。シネマ運用に関わるあらゆる技術課題について、関係各社と議論、調整を重ねながら、自社システムの完成度を高め、業界内での確固たる地位を確立。
2015年からは技術コンサルタントとして独立。ハリウッドシネマ業界との交流を続けながら国内のシネマ技術の向上に向けた活動を続けている。
2018年から日本人唯一の ICTA(国際シネマ技術協会)会員。
プライベートでも「シネマ」をこよなく愛し、これまでのシネマ観賞(劇場での映画観賞)回数は1500回を優に超える。

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